オフィス家具のうち、共有性の高い(属人性の低い)文書や物品などの収納を担うカテゴリは、大別して3つあります。 ○システム収納家具 ○収納家具・書庫・保管庫 ○物品棚・書架・移動棚 「システム収納家具」とは、同一のシリーズ内(つまりサイズの規格が同じ)であれば、両開き・引き違い・ラテラル・クリスタルトレイ・ワードローブ・etc..といった各種の収納ユニットが、上下連結および横連結が自由自在なものを指します。後から必要なものを買い足して組み替えるということも、物理的に可能です。 「収納家具・書庫・保管庫」には、システム収納家具ほどの自由度は設けられていません。一度設置したものを後から組み替えるというイメージは強くなく、また、システム収納家具と異なり、基本的にラテラル書庫の取り扱いがありません。 「物品棚・書架・移動棚」は、スチールの支柱と棚板で構成される収納です。構造において、箱型を取っているシステム収納家具・収納家具(これらを本稿ではスチールキャビネットと総称します)とは大きく異なります。強度においてスチールキャビネットを上回る一方、施錠によるセキュリティ保護は困難です。
スチールキャビネットは文書の保管に特化し、さまざまな形態およびそれに合った機能を有しています。一方物品棚はというと、支柱と棚板というシンプルな構成であるため、形態のバリエーションには乏しいといえます。オプションとして側面や後面に金網や板を張れたり、引き出しをつけられたりする程度です。 物品棚の特性は、強度にあります。スチールキャビネットの1段あたり耐荷重量は30㎏が標準で、最も強度が高い3段ラテラルでも1段あたり60㎏です。スチールキャビネットは板金でできていますので、ある程度以上の荷重がかかると、ひずみやゆがみに弱いのです。物品棚の支柱は鉄鋼でできているため、板金よりも格段に強度が高いといえます。 こういった特徴もあり、物品棚は大規模な収納に適性があります。導入の場はオフィスに限らず、倉庫や工場など、形の揃った物品の大規模な保管や流通が求められる空間で、さまざまな形態の物品棚が用いられています。 オフィスにおける収納のメインは、システム収納家具や収納家具といったスチールキャピネットです。物品棚は、スチールキャビネットが適する以上もしくは以下の規模の収納に用いるものと考えていいでしょう。具体的に挙げますと、大量の文書や記録、商品や在庫、消耗備品や耐久備品などです。
スチール物品棚を導入するに先立って、事前にスチール物品棚の配置およびレイアウトの計画が必要になります。これにより導入に適した物品棚のサイズがまず確定し、これを踏まえて、棚それぞれに収納する物量を予測できるようになります。ここから収納するボリュームの重量を見積もり、これに耐える耐荷重量を持つスチール物品棚を選定すればいいわけです。